ハローワーク求人のここだけは見ておいた方がいい

2022年1月10日

転職を考えるみなさんは介護求人をどのようにご覧になっていますか。
おそらく転職エージェントのサイトや介護メディアを見る、という方がほとんではないでしょうか。ハローワークのインターネット検索サービスだけを見るという方は少ないと思います。

ハローワークの求人って、ただデータベースを載せただけな感じで見にくいし、興味をひきにくいですよね。

でも。

ここだけは見ておいた方がいい箇所があります。

ハローワークネット検索の「前年実績」を見よう

求人検索はどうしても月の給与に目が行きがちです。でもそういうのは転職サイトの方が見やすいです。資格や夜勤など手当が含まれる額で表示されているので現実に近いからです。

ただ、転職サイトは広告的な表示でもあるので、「月収◯◯万!土日休み!賞与4ヶ月!」みたいな見出しになりがちで、”本当にそうだろうか”と思ってしまうことがあります。裏付けを取ろうと思って企業サイトに行ってみても、情報が少ないこともよくあります。

そこで。

ハローワーク求人検索を調べると、「賃金・手当」欄の下の方に『昇給』と『賞与』の項目が出てきます。無作為に選んだ求人情報を例にとるとこんな感じに表示されます。

昇給(前年度実績)

まず昇給について。この内容でも1000円〜10000円と開きがありますね。

ポイントは「前年度実績」。この施設では昨年の昇給が最大で10000円だったことがわかります。

介護職の年次昇給の平均がどれくらないなのかは、調べましたがあまりデータがなかったです。単純にハローワーク情報から比較してみると10000円はかなり高く、おおむね「0〜10000円」に収まっていて、1%〜3%程度が多いように見えます。中には”なし”とか”500円”とかもありました。

つまり数千円程度が多く、それも施設によって人事考課や給与査定で決定されることが多いようです。長く勤めるために将来性は大切です。曖昧なことは面接を受けるときの確認項目になるので採用担当者に聞いてみましょう。

賞与(前年度実績)

次に賞与。ここも年収に関わる大きなポイントです。転職サイトで「賞与4ヶ月」とか謳っていても、実際に支給されているのかを判断することができません。そこでハローワーク求人検索の前年度実績を確認するといいですね。

賞与は絶対に支払わなければいけないという法律がありません。なので企業としては成績が良くない時に減額や無支給でも問題ないです。万が一の時にリスクを回避するためです。例えば、施設内で感染症が発生して結果的に空室が増えてしまった場合売上は減少します。給与は支払わなければなりませんので、賞与での調整がリスク回避の一つの手段となります。

求職者は求人情報を見るだけでは売り上げの増減はわからないです。そこで前年度実績がポイントになるということです。

上記の内容だと年2回で計2.3ヶ月。公式サイトでも同額表示でしたので、規定通り支払われたということですね。この確認は重要です。

ある企業では2ヶ月を謳っていましたが、前年度実績は500円〜3000円となっていました。(ソースは勝手に公開できないので名誉のためにも表示しません)

転職してみたらボーナス500円。こんなあり得ないことを回避するためにもチェックしておくのは有効です。

まとめ

今回は求人の中でも、月額ではなく賞与や昇給についてお話しました。

介護業界は有効求人倍率3倍〜5倍にもなると言われ、もはや人材の需給バランスが崩壊しているように思えます。見方を変えれば、働き方改革なんかでよく言われている”流動性の高い”業界でもあります。でも、人材は流動的なのに不足している。高齢者はそれだけ増えているってことですね。

田舎ではよくあることですが、地域内の少ない人材の奪い合いでゼロサムゲームを展開し、給料が高いかどうかで奪い合う。これは本質的にいいことではありません。人材を確保できた施設が介護の質を担保できても、一方では人材不足で質がキープできない施設が出てきてしまう。それが続いていては業界全体が良くなるようには思えません。

とはいえ、介護職も生活がありますからベースアップは必要。給与を理由に転職しても、結果的にボーナスが減って年収同じになっては意味があったのか疑問が残ります。そうならないように情報の中身を正確に知ることが大切です。

 

 

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