OJTを逆手にとって最速で仕事を覚える方法

「業務の流れ」と「理論と技術」は分けて考える

介護の新人研修っていまだOJTが多くないですか。もはやブラックイメージのOJTはやめるべきです。死語と言ってもいい。

自分もそうでした。施設に入って最初に言われたのは、

「先輩方から見て学んでください。ひとりひとり色んなやり方があるので、自分に合った方法を見つけてください。」

でした。

最初から「???」の連続で、全く未経験の人にとって、この言葉はかなりきついと思います。

介護施設は、形態によって規模や利用者の人数が全然違いますし、大きな組織であれば研修制度も充実していると思います。とはいえ、小さな施設は研修にかける人材も時間も少ないのも現実です。

この記事では、新人がどうしたら最速で仕事ができるようになるかををお話していきます。

信頼のおける先輩を1人決めよう

結論から言うと「ひとりの先輩から学ぶ」です。

入社して最初の頃は「とりあえず、1日の業務の流れを覚えてください。」みたいな感じのOJTです。いろんな先輩がついてくれて、食事はこうやって、トイレはこうやって、入浴はこうやって…と、それだけで結構なボリュームになります。

その時に、ついてくれている先輩たちが介助方法について「私はこうやっています(他の人は知らんけど)」と、ひとりひとり違ったニュアンスで説明してくるので、どれが正解かわからなくなって混乱します。はっきり言って、この混乱は成長を妨げてしまいます。

この状態が続くと、何をしたらいいのかわからなくなって、仕事が嫌になってきます。これで「自分は向いていない」と思ってしまうと悪循環でしかないです。

複数の先輩の中から自分のプリセプターを決める

その解決策として「ひとりの先輩に絞る」のが効果的です。

つまり、優秀な先輩を完コピしてしまう。これが近道です。

大きな組織で研修制度がしっかりしているところは「プリセプター制度」といって、リーダークラスの先輩がマンツーマンで指導してくれます。

マンツーマンのメリットとしては、先輩との人間関係が作りやすいのでわからないことがあった時に質問しやすかったり、技術や理論がブレにくいので混乱することなく知識や技術を受け入れやすいことです。

最初は「何がわからないのかわからない」状態ですから、いつも見ていれくれる信頼できる人が近くにいることが成長の近道となります。

ただ、小さな施設の場合は先輩もがっちりシフトに入ってますから、なかなかマンツーマンとはいかないです。これは新人の場合、いきなり夜勤同行とはならないからシフトを合わせるのが難しい、と言う理由です。

そこで、毎日違う先輩から教えてもらうにしても、技術や理論といった大切な部分はひとりの先輩に絞って学ぶ方がいいです。どんな人を選べばいいかは「他の先輩や上司、利用者さんやご家族からも信頼の厚い人」を選ぶのがポイントです。ベテランだからといってそうとは限らないので、年下であっても良い先輩であればいいと思います。

小さな施設は基本的にOJTなので「業務の流れ」を教わると思います。流れそのものはどの先輩に聞いても同じですから、「業務の流れ」と「技術と理論」は分けて考えたほうがいいです。

「技術と理論」の部分は、最初からできなくて当たり前です。焦らずにひとつひとつ確実に覚えていく。適当に返事してわかった気にならないことが重要です。1ヶ月やそこらでできるほど甘くはないですよ。

わからないことがあったら何度でも先輩に聞きましょう。素直に質問するのは意外と難しいです。なんて質問していいのか分からないのであれば、事前にネットで調べるなり動画を見るなり"理論武装"してから聞いてみましょう。自分なりに勉強していると評価も上がり、先輩もしっかり教えてくれます。

新人が最初にするべきは、信頼関係の構築。自ら努力する姿勢を見せることです。ただ待っているだけでは成長しません。

「昨日教わった方法ネットで調べてみたんですが、こういうやり方もあるんですね」

まずはたったひとりの先輩に認めてもらえるように、ひとつひとつ、地味に積み上げていくのが最速で成長する方法です。

最後に

先輩もいつも完璧なわけではありません。「なぜそれをするのか」に対する根拠が弱かったりした場合、それを補完するように自分で勉強することはとても重要です。忙しい現場では教えてもらえる時間は限られます。繰り返しやらないと覚えられないことがたくさんあります。一つのやり方を教わったなら、他のやり方もあることを知っておく。

とはいえ、理論武装しすぎるのも考えもので、わかった気になって終わるのは本末転倒です。臨機応変さが求められるのが介護の仕事です。

新人研修のOJTで覚えることは「業務の流れ」に絞って「理論や技術」は丁寧に時間をかけて覚えていきましょう。初めはぼんやりとしていても1ヶ月、3ヶ月、半年と積み重ねることによって鮮明になっていきます。

全部一度にやろうとしないことです。

それではまた。